Excel関数で学ぶ“考え方”講座8|FILTER関数で「必要なデータだけ」を自動で抜き出そう!

FILTER関数_アイキャッチ

必要なデータだけ、別の場所に取り出せたら?

Excelで名簿や売上一覧を記録すると、情報を項目ごとにまとめてみたくなるもの。そんなときに、ついつい思ってしまうのは、こんなことではないでしょうか?

  • たくさんのデータから、特定の商品だけを取り出したい
  • 名簿から、条件に合う人だけの一覧を作りたい
  • 元の表はそのまま残して、必要なデータだけ別の場所に表示したい
  • 元のデータが変わったら、抽出した一覧も自動で変わってほしい

こんな悩みも、関数に任せてみましょう。

今回は、条件に応じてデータを取り出す関数である、FILTER関数についてご紹介します。

前回ご紹介したUNIQUE関数が「重複を取り除いて一覧を作る」関数なら、今回はそこからもう一歩。

「どのデータを取り出すのか」をExcelに伝えていきましょう。

前回の内容はこちらからご確認ください。

 

前提|フィルターはリボン操作でも可能

FILTER01|フィルターはリボン操作でも可能

「フィルターを利用するなら、わざわざ関数を使わなくても良いのでは?」

そんな声が聞こえて来そうですが、もちろん、[データ]タブの[並べ替えとフィルター]グループに表示されている「フィルター」を利用することで、直感的にフィルターを利用することもできます。

「フィルター」ボタンをクリックすると、表の各項目に「▼」ボタンが表示され、条件に合わせてデータを抽出できます。

この2つの違いは、結果の表示方法にあります。

ポイント

通常のフィルター:
元の表の中で、条件に合うデータだけを表示する

FILTER関数:
条件に合うデータを、別の場所へ一覧として取り出す

どちらが正解、というものでもありませんが、用途に合わせて使い分けてみてください。

01|FILTER関数とは?

FILTER関数とは、指定した条件に合うデータだけを、取り出して表示する関数です。

まずは基本構文を確認しましょう。

=FILTER(配列,含む,[空の場合])

聞きなれない言葉が並んでいるかもしれませんが、この構文を日本語に置き換えてみます。

読み方

「指定する範囲から、条件に合うデータを表示してください。条件に合うものがなかった場合、どのように表示するかも設定できます」

このように表現すると、ヒントが掴めそうですね。

FILTER関数は、比較的新しいExcelで利用できる関数です。古いExcelでは利用できない場合があるので、利用する際は確認しましょう。お使いのExcelのバージョンによっては、関数名が認識されないこともあります。

02|FILTER関数の入力手順

それでは、入力手順の確認です。
関数の入力方法は複数ありますが、このブログでは、[数式]タブを利用した操作方法をご紹介します。

操作(1)

フィルター02|操作1

結果を表示したい先頭のセルをクリックします。ここでは見本として、セルH2をクリックしています。

FILTER関数の結果は、ここを起点として右方向、下方向へ広がって表示されます。

今回は、ブログ用に準備した架空の元データを参考に、セルH2を起点として、延岡店のデータを取り出します。

操作(2)

フィルター03|操作2

画面上部に表示されている[数式]タブをクリックします。
切り替わったリボンの中から、[関数ライブラリ]グループに表示されている[検索/行列]ボタンをクリックしましょう。

表示された関数名の一覧から「FILTER」を探し、クリックすると、関数ダイアログボックスが表示されます。

操作(3)

フィルター04|操作3

関数ダイアログボックスが表示されたら、項目に従い、入力します。全ての項目が入力できたら、OKボタンをクリックしましょう。

・配列:フィルターの対象となるセル範囲を指定します。今回は元データが入力されている、セル範囲A2からF16を指定しています。なお、ここでは項目を範囲の対象外としています。
・含む:取り出すための条件を指定します。ここでは、延岡店のデータを取り出すため、店名が入力されているセル範囲D2からD16 を指定し、店名が入力されているセル範囲D2からD16を指定し、「延岡店」と等しいかどうかを条件として設定します。なお、「延岡店」は文字列のため、前後を半角の「"(ダブルクォーテーション)」で囲みます。
・空の場合:条件に合うデータが見つからない場合に表示したい文字や記号などを入力します。今回は、まず基本の動きを確認するため空欄のまま進めます。「空の場合」を省略した際にエラーが起こる場合がありますが、この件については後述します。

確認

フィルター05|結果の確認

[OK]ボタンをクリックしたら、結果を確認しましょう。セルH2を先頭として、条件に合うデータが右方向、下方向へ表示されていれば成功です。

FILTER関数で導き出した結果は、取り出したデータの数や列数に合わせて、結果を自動的に複数のセルへ広げて表示します。

この仕組みは、前回ご紹介した「スピル」です。数式そのものが入力されているのは、先頭となるセルH2だけです。そのため、条件を変更する場合は、先頭のセルであるH2に入力した情報を変更しましょう。

03|よくある失敗と、その直し方

FILTER関数を使っていると、これまでの関数とは少し違ったエラーに出会うことがあります。

よくあるものを確認しておきましょう。

Q1.「#スピル!」と表示された!

フィルター06|よくある失敗01よくある原因として、結果が表示される予定のセルに、文字、数字、空白に見える数式などが入っている場合、エラー値である「#SPILL!」(または#スピル!)が表示されます。

範囲内にある不要なデータを削除するか、十分なスペースがある場所へ移動しましょう。セルの結合にも要注意。

Q2.「#VALUE!」と表示された!

フィルター07|よくある失敗2

「配列」欄と「含む」欄に入力した、セル範囲を確認しましょう。行数が異なるとエラーが表示される場合があります。

Q3.「#CALC!」と表示された!

フィルター08|よくある失敗3

「配列」欄から「含む」欄で指定した条件のデータが見つからない場合、「空の場合」欄の入力を省略していると表示されるエラーです。

「空の場合」欄も含めて、あらかじめ入力しておくと安心です。

Q4.データを追加したのに、結果に表示されない!

フィルター09|よくある失敗4

追加したデータが、FILTER関数で指定した範囲の外にある可能性があります。関数を入力したセルをクリックし、数式バーに表示されている範囲を確認しましょう。

特に、データを追加することが多い場合は、元データを「テーブル」にしておく方法もおススメ。テーブルの構造化参照を利用すると、データの追加・削除に合わせて参照範囲を自動的に調整できます。

04|もっと便利に使ってみよう

上記の基本的な利用方法以外にも、さまざまな方法でFILTER関数を活用できます。

1.条件そのものをセル範囲に入力する

フィルター10|セルの参照

条件にもセルの参照を利用できます。

条件をセル参照にする

条件を入力した場合
=FILTER(A2:F16,D2:D16="延岡店","該当なし")

セルの参照を利用する場合
=FILTER(A2:F16,D2:D16=H1,"該当なし")

この数式では、

読み方

「A2からF16までの範囲を対象とし、D列のデータがH1と同じデータを表示しなさい。該当しない場合は「該当なし」と表示しなさい」

という指示になります。

この方法なら、セルH1に入力している「延岡店」を変更するだけで、抽出される一覧も自動で変更されます。

ポイント


条件をセル参照にしておくと、「検索条件だけを変更して一覧を切り替える」という使い方ができます。

2.複数の条件を組み合わせる

フィルター11|複数の条件

「延岡店」かつ「文房具」という2つの条件を同時に満たすデータだけを取り出すこともできます。

複数の条件を指定する

=FILTER(A2:F16,(D2:D16=H1)*(B2:B16=J1),"該当なし")

条件を増やしていくと、数式も少しずつ複雑になります。まずは、「どの表から」「どんな条件で」「何を取り出すのか」という3つを意識して使ってみましょう。

複数の条件を指定する場合は、次の記号を利用します。

AかつBの場合:「*」を使用
例:(D2:D16=H1)*(B2:B16=J1) ※半角記号を利用

AまたはBの場合:「+」を使用
例:(D2:D16=H1)+(B2:B16=J1) ※半角記号を利用

FILTER関数を利用する場合は、「AND」「OR」を利用せず、それぞれの条件に応じた記号を利用します。

まとめ|関数でもフィルターを使ってみよう!

いかがでしたか?

リボン操作でも可能なフィルターですが、元の表をそのまま表示した状態で、条件に合うデータを別の場所へ一覧として取り出したい場合は、FILTER関数が便利です。

もちろん、条件に合うデータを見るだけなら、Excelにもともと用意されている通常のフィルター機能でも十分です。

大切なのは、目的によって使い分けること。ぜひ使い分けて、活用してみてください。

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次回予告

必要なデータだけを取り出せるようになると、次に気になるのが「順番」です。もちろんリボン操作からも可能なこの機能。関数でもできます。

公開予定:近日公開
次回もお楽しみに。

Excelの他の関数について解説するブログ記事を随時更新しております。
他の記事を確認する場合はこちら


編集後記:担当 K

「手書きが面倒に感じたら、パソコンを使い始めるタイミング」
そんなブログを、たくさん書いてきました。

パソコンを使い始めると、機能の多さに驚かされます。自分には必要のない機能でも、誰かにとっては必要な機能である。そんな誰かのための機能がたくさん詰まっているのが、パソコンです。

今回ご紹介したフィルターも、リボン操作をご存知の方にとっては、ある意味不要な機能です。しかしながら、マウスを握り、ひとつひとつ条件を設定するのが面倒な方にとっては、入力すれば利用できる関数が、とても理にかなっていたりするのです。

手書きが面倒ならパソコンへ。
マウスを握り替えるのが面倒なら関数へ。
そして、手入力が面倒なら自動化へ。

こんなふうに楽をしていくために、新しい機能を試していくのが、知的好奇心や探求心を擽るのです。大人になっても、忘れたくはない気持ちですね。


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