
「出会い、それはトラウマ」
皆さんは「赤い部屋」というFlashゲームをご存知でしょうか。
Flashゲームとは、「Flash(フラッシュ)」と呼ばれるソフトウェアを利用して作成されたブラウザゲームの総称です。そのほとんどが無料で遊べるフリーゲームで、十数年前に一世を風靡しました。

「赤い部屋」はFlashゲームの一つで、シンプルな操作感と結末のインパクトから有名になったタイトルです。
「赤い部屋」は簡単に言うと対話風ホラーゲームです。クリックして会話を進めることができるのですが、物語が終盤に近付くにつれてパソコンに異変が起き始める……といった内容です。現実世界も巻き込む恐怖と、その不気味さから多くのファンを獲得しました。
そしてその後「赤い部屋 完全版」というものも登場しました。元祖の「赤い部屋」をよりホラー仕立てにする工夫が施されていました。簡単に言うとビックリ系です。幼かった私は「赤い部屋 完全版」をプレイした結果見事にトラウマになり、大人になった今でもインターネットで検索することすらできません。

「抉られるトラウマ」

同じくFlashゲームに「ウォーリーをさがさないで!」というものもありました。あの有名な絵本のパロディ的なゲームかと思いきや、悪い意味でユーザーの期待を裏切る演出が入っています。そうです。ビックリ系です。
「赤い部屋 完全版」がトラウマになっていた私は、「ウォーリーをさがさないで!」をプレイして、心の傷をさらに深くしました。

「二度あることは三度ある」

さらに、タイトルは忘れてしまったのですが、もう一つ印象に残っているFlashゲームがあります。
可愛いうさぎが空から降ってくるにんじんを集めるといった内容のゲームでした。うさぎを左右に動かしながらできるだけ多くのにんじんを集めて高得点を目指します。
しかしこのゲームも私は一回しかプレイできませんでした。勘の良い方はお気づきでしょう。ビックリ系だったのです。
ほのぼのとした絵柄と楽しいゲームで油断した所を仕留めてくるタイプのホラーゲームでした。これを機に、私はFlashゲームを引退しました。

「思い出のFlash」
Flashゲームはインターネット環境さえあれば誰でも遊ぶことができるコンテンツでした。
年齢制限などもなく操作性もシンプルなものが多かったため、若い世代を中心に人気が爆発。特に2000年~2010年にかけて大流行しました。
今回例に挙げた3つのFlashゲームはどれもホラーゲームでしたが、Flashゲームには魅力的なゲームが数えきれないほどありました。王道のファンタジーRPG、マルチエンディング形式のノベルゲーム、クオリティの高いシューティングゲームなど種類も豊富で、時間を忘れて楽しむことができたのも魅力の一つです。

「今は遊べないFlashゲーム」
ここまでの内容で少しでも興味を抱いてくださった方には残念なニュースですが、Flashは2020年をもってサポートを終了しています。それに伴い、今回ご紹介したゲームは通常のインターネット上でプレイすることができなくなりました。
どうしても内容が気になる場合は、YouTubeなどにプレイ動画が投稿されていますので、そちらをご覧ください。ただし、ホラーが苦手な方はホラーゲームのプレイ動画を誤って見てしまうと、私と同じく心に傷を抱える危険性があります。視聴時には概要欄や注意事項などをしっかり確認して、自己責任の元ご視聴ください。

また、「赤い部屋」や「ウォーリーをさがさないで!」などのキーワードをインターネットで検索すると、ホラーな画像が表示されることがありますので、ご注意ください。私は検索できません。
私はFlashゲームによりトラウマを抱えましたが、今となってはあれも良い経験だったと思います。もう正規の方法では遊べなくなってしまったゲームを、ネタバレなしの新鮮な気持ちのままプレイすることができたからです。
あらかじめどのようなゲームなのか知っていた状態でプレイしていたら、今ほどトラウマにはならなかったでしょうが、今ほど強烈に記憶に刻まれることもなかったでしょう。これはある意味幸運だったのかもしれません。

「永遠のない世界を生きる」

当時はFlash全盛期で、いつか遊べなくなる時がくるとは思ってもみませんでした。生涯忘れることのない強烈な思い出を作れたことは、複雑ながら嬉しい気持ちもあります。同時に、もっといろんな種類のゲームを遊んでおけばよかったなと後悔する気持ちもあります。
永遠に存在し続けるものは、きっとありません。目に見えるものも、見えないものも、例外はありません。
10年後、20年後になると、遊んでいるゲーム、使っている言葉、暮らしている街、様々なものが変わっていくでしょう。そして時代の変化は不可逆的です。一度変わってしまったものを元の形に戻すことは難しい。
だからこそ、今を大事にしなければならないと思うのです。

「最後に」
もうすぐ2025年も終わりますね。
皆さんは今年やり残したことはありませんか?2025年はもう二度と巡ってきません。
長い人生の中のたった一年、されど一年です。新しい年を清々しい気持ちで迎えられるように、今年の埃は今年のうちに叩き落としてしまいましょう!
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