
花が咲く。
これは何も、季節の移ろいを詠んだものではありません。
残暑の厳しい毎日。日中の涼しい教室で咲いた、生徒さんとのお話です。
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当たり前のことですが、我々スタッフは、教室の中では「先生」です。
WordやExcelの使い方はもちろん、仕事に役立つテクニックや、スマートフォンの操作説明、時には、レイアウトやデザインなどの相談事にも応じます。
デジタル機器のことならお任せあれ。
しかし、教室に通っていただいている生徒さんの多くは、人生の先輩です。
長く仕事をされてきた方。
家族を支えてこられた方。
子育てを終えられた方。
趣味を何十年も続けている方。
それぞれが、私たちの知らないこと、経験していないことをご存知なのです。
そんな生徒さんとの、授業合間のちょっとした談笑は、いつの間にやら、先生と生徒の関係を入れ替えてしまうことがあります。
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先日、ある生徒さんから、美味しいパスタの作り方を教えていただきました。
きっかけは、教室の授業の中で使用している、海鮮丼の写真。
時刻は15時過ぎ。美味しそうな写真だな、そろそろお腹がすいたな、晩御飯はどうしようかな。そんな話をしていたところでした。
「この間、美味しいパスタを作ったんです。鯖缶で!」
にっこりと笑って教えてくれた内容は、和風のパスタソースに、鯖の水煮缶を加える、というもの。
「タンパク質を取るなら、鯖缶が一番おススメ」
そう教えていただきました。
和風ソースは特別なものでなくても良いそうで、おいしそうなソースを見つければ良い、とのこと。
水煮缶の中にある汁を、少しだけ加えるのがポイントなのだと教えていただきました。
なるほどなぁ。
その日の帰りに買い物を行い、実際に自宅で作ってみました。
それが、とても美味しかったのです。
和風ソースだからと、ついでにきのこと玉ねぎを炒め、加えたのも、ビンゴでした。
教えていただいたレシピに少々手を加えましたが、生のサバを買ってきて、捌いて仕込むよりもずっと簡単です。
「これは良いことを教えてもらったなぁ」
すっかり我が家のレシピの仲間入りを果たしたのでした。
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こんなことが、よくあります。
パソコンの授業の傍らで、美味しいレシピを教わり、野菜の育て方と教わり、昔の地域の話や、旅行先での出来事などを教わります。
私たちの知らない世界が、生徒さんとの会話から、次々と出てくるのです。
もちろん、授業中ずっと、お喋りをしているというわけではありませんん。
印刷を待っている時間、課題が一区切りついたとき。
そんな何気ない時間から、ふっと話が広がるのです。
そんな時間が、とても楽しいですね。
何かを教える仕事をしていると、「先生は知っている人、生徒は教わる人」そんな関係ばかりに目がいくでしょう。
しかし、実際の教室は、そんなに一方通行ではないのです。
パソコンに関しては、我々が先生。
料理については、生徒さんが先生。
別の話になれば、また違う生徒さんが先生になる。
そう考えると、教室には随分と、たくさんの先生がいるものです。
我々は、今日もパソコンの授業をしながら、何かの話に花を咲かせ、何かを教わるのです。こんな時間が、とても心地よいものです。
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さて、美味しい鯖缶パスタは調理済み。
実はこの日、手軽にサムゲタンを作るコツも教えてもらっています。
鍋ひとつでできる、温かな料理。
材料は、スマホで調べたレシピを参考に、鍋に入れて煮込むだけ。
ただし、灰汁はしっかりと取ること。
香り付けはごま油。
今度の授業で、生徒さんへご報告をしなければなりませんね。
「先生、ちゃんと作った?」
なんて聞かれる前に、上手に作れた写真を添えて。

<エッセイ>
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